レアンドロ・エルリッヒ展 〜見ることのリアル〜

ずっと息子と行きたかったレアンドロ・エルリッヒ展を観に森美術館へ行って来ました。金沢 の21世紀美術館に展示されているあのプールの作者です。ただ絵を眺めるだけだと息子もまだ飽きてしまうのでこういった観客参加型なら楽しめるかと。




今回の展覧会のテーマは【Seeing Is Believing】。見ているものが必ずしも見た目の通りではないということを表現しているものばかりです。どうしても経験や記憶から物事を推測してしまうのですが既成概念によって作り出された(とらわれた)世界を意識させる作品たちです。



色んな国の形をした雲も実は、このようにレイヤーで構成されていました。確かに雲というのは地表から宇宙へ向かって何層にもなっていますよね。


ところで最近の美術展などは写真OKの所が増えましたよね。動画やフラッシュは禁止ですが、観るだけで記憶にとどめておくのは記憶力の悪い僕にはかなりもったいないのでこうやって写真と共にブログに綴ることでしっかりと記憶になります。





こちらでは奥の教室に映る自分の姿がまるで亡霊のように。この時点ではまだエンジンのかかっていなかった息子もだいぶ不機嫌な亡霊となって作品の一部になっていましたw


そんなアイドリングの高めな息子にようやく火が付いたのがこの試着室。一旦中へ足を踏み入れれば壁があるかと見せかけて突然人が出て来たり、鏡で挟まれて延々と奥まで続いていたり、自分が何処にいるのかが分からなくなります。息子は鬼ごっこのように動き回って壁にぶつかったりしていましたw



そしてなんとヘアサロンも。


箱だけでなく、お客さんが椅子に座ったことによって美容室が完成する作品でした。個人的にはこの作品にはハッと気付かされました。



普段僕が働くサロンでもお客様がいることによって美容室として成立します。エルリッヒには美容室の風景がアートに映ったということですよね。これは僕個人のスタンスなのですが、お客様はあくまでもお客様で僕の『作品』では無いと思っています。個人的に撮影をしたものは作品と呼びますがたまにお客様を作品呼ばわりする美容関係者がいるのでとても違和感を抱きます。(他人の事なのでどうでもいいのですが、、)



ただこうやって自分が働いている箱も見方によってはアートになるのですね。その着目点が素晴らしいです。



そして今回の目玉。これは大人も子供も大喜び!人だかりが途絶えませんでした。平日にもかかわらずたくさんの老若男女が大喜びしていました。冒頭で話したように観客が参加することによって完成する作品なので単体では未完の状態なのです。観客が多ければ多いなりに少なければ少ないなりの、様々な人が様々な動くをすることによって完成した作品になるのはとても興味深く刺激的でした。


一通り観終えて階下へ降りると【Media Ambition Tokyo】というイベントも開催されていたのでそちらもチェックしてみる事に。 ↓ リンクから飛べます。



こちらは様々なメディアアートを融合させた企画で、個人的にはぶっちゃけこっちの方がかなり刺激が強かったです!


これは車のレクサスとの後藤アキノリさんとのコラボ作品です。




真っ暗で分かりにくいですがレクサスの上にあるオブジェに光が当たると人の形がダンスを踊りだします。ちなみに息子はこれがかなり気に入ったらしく、いつまでもじーっと眺めていました。最近「ナゼナゼ小僧」になった息子は全てに興味があるらしく、これはナニ?何でこうなるの?と質問攻めに。僕が答えられる範囲でキッチリ説明し、近くまで観に行ったり触れられるものには実際に触れて感触や温度や匂いなどを感じさせています。何にでも興味を持つ事もそれに答えてあげることも大事ですね!




こちらは音階とアロマを同期させ(音も香りもどちらもノートと呼びますね)、さらにオルガンとも繋いだもの。全音のみでしたがキーボードを叩くとその音階の香りが音と共にシュッと噴射されるのです。音と香りを結び付けるというのもロマンティックだなーと感激でした!


そして今回の二つの企画展で僕が一番目を奪われたのがこちら。アルゴリズムで仕組まれた沢山のインクがゆっくり移動しながらピュッと、トロッとインクを垂らしていくものです。


土リッピングにより現れるこのなんとも言えないマーブリング模様が息子にも動物に見えたり花に見えたり、かなり食いついていました。


中学生の頃に美術でマーブリングにハマった事があるのですが、こういったテイストのものを自分で作ろうと思うと中々狙ったように出来ないんですよね。ある程度のアルゴリズムがあるようなのでこれは偶然的必然なのでしょうか。ジャクソン・ポロックやマーク・ロスコ、ゲルハルト・リヒターなど抽象的な作品も好きですが、考えることよりも自由にキャッチ出来る心が一番大切だと思います。


久々の息子とのデートは結局トータルで三時間近く観て遊んで大満足で帰路に着きました。大したセンスがあるわけでは無いのですがやはりアートに触れる時間は僕にとっての癒しであるとともに脳みそへの刺激になっています。


そして今回の二つの企画展ではいくつかの気付きがありました。いかに固定観念・既成概念に支配されているか、目線の置き方などなど。いい刺激を受けた後は創作意欲が湧くのですがこの初動を失わないうちに表現してみたいと思います。今年もたくさんの刺激に出会えますように。


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神楽坂の路地裏マンションの一室に構えるヘアサロン【10101】代表の大森です。約30年間、表参道・青山・原宿エリアでキャリアを重ねてきました。自身のエイジングとともにお客様との関係も変化してきたと思います。皆さまに寄り添いながらも一歩先を歩きお客様がキラキラと輝ける毎日を過ごしていただけるきっかけを作ります。ここでは日々の出来事やビューティーについて、主に頭の中のアウトプットとして綴っていきます。

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