沖縄の伝統工芸『紅型 びんがた』

先日の帰省ではお墓参りの他にもう一つ大事な目的がありました。地元の親友の弟さんが沖縄の伝統的な染め物『紅型 びんがた』のアトリエを開いたというので是非体験させてもらいたいということで白浜からすぐのアトリエにお邪魔して来ました。


海までほんの2分のアトリエはなんと築200年の古民家を自分で改装したそうです。確かに柱や梁も立派なものです。そして息子はどこでも安定の恐竜です。



中へ入れてもらうとすぐに見えたこれはびんかたの型紙で和紙に柿の渋を塗って乾かしたものを使うそうです。それを沖縄の島豆腐を乾燥させた台座(!)に乗せ小さな小さな小刀でチクチク細かく切り抜いて柄を掘っていくのですが、実際に見てみると本当に繊細な手仕事でした。


そして型紙をもらっていよいよ色を乗せていきます。色差しと呼ぶそうです。お手本を見ながら丁寧に説明してくれました。向かって左の8色がメインの色味。右の3つが『隈取り』と呼ばれる所謂グラデーションのようなカラーです。そしてこの隈取りは3色あり、各色ごとにどの色に合わせるという決まりがあるそうです。色差しも隈取りも二本の筆を使い分けて乗せていきます。


この数種類のカラーが乗るとそれだけで琉球びんがたに見えるというカラバリなのだそうです。確かにそう言われると納得。



このカラーは顔料(宝石や石を削った粒子)に糊や大豆のエキスなどを混ぜているとの事です。この顔料というのは世界中の古代の壁画などでも用いられ、光による干渉には強くても摩擦などにはとても弱いのだそうです。



没頭しているうちにまずは単色塗りが完成。ここから隈取りと呼ばれるボカシの作業です。

筆に乗せる染料を微妙に調節をしながら繊細に繊細に作業を進めます。この作業でだいぶ立体的で繊細なタッチに見えるようになりました。しかしこの塗った側は裏側なのでこれを持ち帰ってバスタブに張った水の中で型紙の糊を落とす作業をして完成します。


そして完成したものがこちら。上から息子、僕、奥さんの作品です。僕と奥さんは同じ型なのに色使いで全く違う印象に仕上がりました。こういった自由なところがいいですよね。
型に合わせて自由に配色していく塗り絵のようで久しぶりに頭の中が空っぽになるほど集中しました。ちょっとした爽快感です。
今回の先生の石塚アツシ君は琉球びんがた界では指折りの師匠について修行をされたそうです。アトリエを開いて数年経ち、ようやくワークショップも出来る準備が整ったようでこれから様々な活動をしていきたいとの事です。



とても素敵な古民家のアトリエで琉球伝統工芸の体験はいかがでしょうか。興味を持たれた方は是非連絡してみてください。


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石塚 淳 

【10101】 ~神楽坂のマンション型ヘアサロン~

神楽坂の路地裏マンションの一室に構えるヘアサロン【10101】代表の大森です。約30年間、表参道・青山・原宿エリアでキャリアを重ねてきました。自身のエイジングとともにお客様との関係も変化してきたと思います。皆さまに寄り添いながらも一歩先を歩きお客様がキラキラと輝ける毎日を過ごしていただけるきっかけを作ります。ここでは日々の出来事やビューティーについて、主に頭の中のアウトプットとして綴っていきます。

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