【The ボブ】
数年前から空前のBobブームが到来して美容師さんのクオリティーが数段上がりヘアスタイルもたくさん増えました。2∼30年前にボブといえばバリエーションも少なく、ワカメちゃんやじゃりン子チエといったアイコンくらいしか無かったのではないでしょうか。それから時が経ち文化的にも美容業界的にもかなり飛躍しました。それを映画と関連付けて自分なりにアーカイブしてみたいと思います。
【印象派としての髪型 ボブ】
例えば髪型について。アラサー以降の美容師さんで『映画』『ボブ』の2つのキーワードのあとに3つ目が来るとしたら間違いなく『マチルダ』『ナタリー・ポートマン』は上位に食い込んでくるはずです。それ位インパクトがあったナタリー・ポートマンのオカッパ。
レオンは当時まだティーンだったナタリー・ポートマンとジャン・レノの恋愛映画ですが、美容師目線で言うとやはりマチルダのボブです。
絶壁の多い日本人でこれほど奥行きを出すのがとても難しく、当時はシンプルなのにとても研究したのを覚えています。
刈り上げこそしていませんがワイドな前髪やパッツン具合がワカメちゃんのオカッパに見えなくもありません。これはバランスが縦方向と横方向の差だったり奥行きとの関係性だと思われます。ともかくこのマチルダのボブは未だにスペシャルなヘアなのに間違いありません。
お次はこちら。タランティーノの名作『パルプフィクション』での豪快な役が話題を呼んだユマ・サーマン。身長が180cmあったりマクロビ派だったりシーシェパード支持者だったりという余計なところは置いといて、この作品のユマ・サーマンもボブが印象的です。
マチルダと同じくオン眉ですが、こちはらややカールを効かせてボブ自体もやや長めの設定です。えり足いっぱいのハツラツとしたマチルダに対してやや長で漆黒。怪しげな大人の雰囲気のユマサーマンのボブ。同じ前髪パッツンボブでもこんなに雰囲気が違うのが面白いですよね。
そして割と最近の作品ではこちらの『アメリ』の髪型も可愛いと評判になりました。オドレイ・トトゥ演じるこのアメリもマチルダと同じくボブがキャラを引き立たせる一つの要素でもあります。作品中では耳にかけたり編み込んでみたりとアレンジもとてもかわいかったのを覚えています。今でもこの雰囲気は全然アリです!
そしてこれも忘れられない名作『ベティ・ブルー』。The フランス映画という内容でラストは衝撃が走りますが、主演のベアトリス・ダル演じるベティのボブもベティの無邪気さと溢れる愛情と狂気を上手く表現していました。
少しだけ膨らめてザックリと留めたポンパドール。最高に可愛いです。
ちなみにこのシーン、この後ショットガンをボコボコ飲みまくるというとっても好きなシーンです。
そして最後はこの二人。ちょっと古い映画からなのですが、60年代からは『ボニー&クライド』のフェイ・ダナウェイ。80年代からは『パリ、テキサス』のナスターシャ・キンスキーです。
少し前にもこの二人について書いたのですが、映画の主人公になぞらえた今回のテーマでは忘れられないと再登場させてみました。
強盗をしながら逃亡し続ける、キリッとメイクとシャープなボブのフェイ・ダナウェイ。モヘアニットとマッチしたフンワリボブのナスターシャ・キンスキー。何十年経っても全く色褪せない素敵な作品です。
古きをたずね新しきを知る。秋の夜長に古い名作はいかがですか?
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